先日、携わっているメディア「LOVETABI」のInstagramで「ウォルト・ディズニー・ワールド」でのキャスト経験をお話しました。
LIVEでの内容ではお伝えしきれなかったことを中心に、エプコット・日本館で働くための情報をまとめました。海外ディズニーで働くにはどうすれば良いの? CRプログラムを受験予定という方に特におすすめの記事です。
- ウォルト・ディズニー・ワールド内にあるパーク「エプコット」とは
- 「エプコット」でキャストとして働く方法
- 米国三越CRプログラムとは
- 「鉄板江戸」のサーバー業務や休日の過ごし方
ウォルト・ディズニー・ワールド「エプコット」
アメリカ・フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニーワールド(通称WDW)。ディズニー社が経営する4つのディズニーパークと2つのウォーターパーク、約30のオフィシャルホテルを中心とした、世界最大のディズニーリゾートです。
山手線1周の約1.5倍もの広大な敷地にパークとホテルが点在しています!
4つのパークの内1つが「エプコット」。1982年にウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートで2番目のパークとして開園しました。
近未来をテーマにした「フューチャー・ワールド」と、世界11ヵ国(メキシコ、ノルウェー、中国、ドイツ、イタリア、アメリカ、日本、モロッコ、フランス、イギリス、カナダ)の文化や食事を楽しめる「ワールド・ショーケース」の2つのエリアに分かれています。
世界11カ国のパビリオン! ワールド・ショーケース内にある「日本館」
エプコット・ワールド・ショーケース内には、万博のように世界各国のパビリオンがあります。
11カ国のうちの一つ、日本館では、和食を食べられるレストランや、日本の商品を売っているマーチャンダイズストアがあり、アメリカのディズニーにいながら日本の雰囲気を味わえます。
各国のパビリオンで働くキャストはその国出身のキャストがほとんど! 日本館でも多くの日本人キャストがゲストをもてなしています。
そこで働くキャストは米国三越の契約社員なんです。私もその一員として約1年間キャストとして働きました。
日本館のレストラン「鉄板江戸」Teppan Edo
「鉄板江戸」は、鉄板シェフが目の前でおいしい鉄板焼きを調理してくれるテーブルサービスのレストラン。平均予算は一人あたり30〜50ドル。
ステーキ、チキン、シーフード、野菜などメインを選びます。シーフードとステーキがセットになったお得なメニューもあって、名前も「Asakusa」「Ueno」など、日本の地名がメニュー名になっているんですよ。
シェフの調理パフォーマンスも魅力的で、オニオンタワーから火が吹き出たり、キャラクターの絵を描いてくれたりと、料理を待っている間も飽きずに楽しめます。
私はこの「鉄板江戸」でサーバー(ウェイター)として働いていました。
日本館のレストラン「東京ダイニング」Tokyo Dining
「東京ダイニング」は、揚げたての天ぷらに寿司シェフが握ったお寿司などが食べられるテーブルサービスのレストラン。平均予算は一人あたり20〜30ドル。
カリフォルニアロールやフィラデルフィアロールなど、日本のお寿司とは少し違ったラインナップもあります。寿司シェフのパフォーマンスも有名で、お寿司を握っている様子をじっと見つめる子どもの姿がとってもかわいいんです。
日本館のレストラン「匠亭」Takumi Tei
Takumi-Tei, the new signature table-service restaurant in the Japan pavilion at Epcot, is officially open! https://t.co/vbEpAA3V3g pic.twitter.com/ajxI4WCo3t
— Disney Parks (@DisneyParks) July 5, 2019
元々日本館には「鉄板江戸」と「東京ダイニング」の2つのレストランがありましたが、2019年8月に3番目のレストランとしてオープンしました。
内装も豪華で、提供メニューも和牛、特製カクテルや高級酒などラグジュアリー志向なレストランです。
日本人がウォルト・ディズニー・ワールドで働くには?
2020年現在、日本人がウォルト・ディズニー・ワールドで働く方法は、ディズニーインターナショナルプログラムへの参加が一番の近道です。
- 「三越カルチュラル・リプレゼンタティブ・プログラム(通称:CRプログラム)」
→米国三越の契約社員として、エプコット日本館のキャストになり約1年間勤務する。 - 「カルチュラルエクスチェンジプログラム」
→主にエプコット内のキッドコットで働く。採用人数が少ない。 - 「カレッジプログラム」
→ワールド内のパークキャストとして働く。ディズニーと提携のある専門学校や大学通学中の学生がインターンシップに参加できるプログラム。
3つある中、私が目指したのはCRプログラム。
2014年に選考を受け、2015年3月〜2016年2月までの約1年間、日本館にある「鉄板江戸」のサーバーとして働きました。
三越カルチュラル・リプレゼンタティブ・プログラム(通称:米国三越CRプログラム)とは
三越カルチュラル・リプレゼンタティブ・プログラムは、ディズニー・インターナショナル・プログラムの日本文化交流大使の使命を担い、米国三越の契約社員として一定期間、米国フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドR・リゾートで働きながら、世界中からお越し下さるゲストに日本文化をご紹介する文化交流勤務制度です。
エプコット・日本館で働いているのはほとんどがCRプログラムで採用された、米国三越の契約社員。
毎年選考を行っており、2015年当時は春と秋の2回、渡米のタイミングがありました。
各回約60名ずつ配属され、その中からレストラン・ストア・クイックサービスの3職種に分かれます。(※新型コロナの影響で現在募集しているのは2021年1月入社と2021年5月入社のようです。)
募集要項・選考方法など
募集要項は以下のとおり。(2020年5月時点のHP記載の内容を抜粋。)
- 2020年3月末時点で高等学校卒業歴以上の方
- 2020年3月末時点で満18才以上の方 (査証申請資格が18才以上の為)
- 日本のパスポート所持者(必要に応じて更新をご対応いただける方)
- 英語で「日常会話/接客/販売/日本文化の紹介」が出来る方
※世界中のゲストに英語で会話/接客するため、選考で英会話力を確認します。- 屋外での勤務が可能な方
- 25lbs.(約11kg)まで持ち上げることが出来る方
- 週40時間以上の勤務が可能な方
応募条件を満たした上で、CRプログラムHPよりエントリーします。私のときは、応募時点で3つの職種から希望職種を選んで応募しました。
- ストア接客販売スタッフ
- テーブルサービス・レストラン接客受付スタッフ/ 接客給仕スタッフ/ 接客調理スタッフ
- クイックサービス・レストラン接客販売スタッフ
しかし、経験は問われないので、自分が向いていると思う職種を選んでOK!
- 書類選考
- 日本語でのグループディスカッションや面接・英語テスト
- Disney社システムによるWeb選考
- WDW社の社員による英語面接
上記4ステップによる選考を経て、合格・渡米となります。
合格後のステップ
合格後、ビザの申請や書類の準備などがあり、早い人で約半年後に渡米。渡米後は、ディズニーインターナショナルプログラム専用の寮での共同生活が始まります。
渡米翌日から、ディズニー社が提供するプログラム、三越社が提供する基礎プログラムを受け、ディズニーの理念や接客の基本などを学びます。
約1週間、上記の基礎研修を受け、その後配属希望を出します。応募時点での職種に加え、どこのポジションになるかは希望と適性で決まります。
【テーブルサービスレストランの場合】
- 「鉄板江戸」の鉄板シェフ
- 「鉄板江戸」のサーバー
- 「東京ダイニング」の寿司シェフ
- 「東京ダイニング」のサーバー
- 「匠亭」サーバー
- 「匠亭」バーテンダー
- 「鉄板江戸」「東京ダイニング」の受付・ご案内
- 「匠亭」の受付・ご案内
上記8職種から、ポジションを選びます。1年間同じ業務をするので、何がやりたいか見極めが重要です。
配属後、約2〜3週間のトレーニングを経てオンステージへ
配属決定後は、それぞれの職種に分かれて約2〜3週間のトレーニングが始まります。このトレーニングが大変でした……!
オンステージ(ゲストに見えるところで働くこと)でのゲストとのやり取りはすべて英語。(たまに日本のお客様もいらっしゃいます。)
更に、鉄板シェフのエンターティンメントも含まれているため、ある程度ゲストが席についてからの流れが決まっています。流れを英語で覚え、料理名やアルコールドリンクの内容、ゲストのアレルギー対応の仕方まで徹底的に叩き込まれます。
そして研修室で覚えたことを、先輩のもとについてOJT形式で学びます。いくら頭の中で覚えていても、実際にゲストと触れ合うと頭が真っ白になったり……最初の頃は苦労しました。OJTが終わると晴れて独り立ち……!
「鉄板江戸」鉄板サーバーの仕事とは
鉄板サーバーは、鉄板江戸での接客給仕業務を行います。といっても……内容は多岐に渡ります。
- 世界各国から訪れるゲストの注文を確認(アレルギーの確認がすごく重要!)
- ゲストの好み合う食事や料理にマッチするお酒をすすめる(チップに関わるので大事!)
- 食事やドリンクを席まで運ぶ
- 回転率を意識して働く(鉄板江戸はリゾート内でも上位を争うほどの人気店、予約していないゲストにも食事をしてもらえるように、回転の速さも大事だったりします。)
- 食事を待っている間に日本文化をお伝えする(折り紙や練習用の割り箸をその場で作るパフォーマンスなども。)
- ゲストのサプライズ演出をお手伝いすることも
1つの部屋に4つのテーブル(1テーブル当たり8〜10名程が着席)があり、基本的にその部屋を3人のサーバーで回します。
鉄板(東京)サーバーの中には「キャプテン」というサーバーのまとめ役的ポジションもあります。鉄板江戸がうまく回るように全部屋の動向の確認や、忙しいところのヘルプ、受付(ゲストサーバー)との連絡などを担当します。
朝から晩(ルームメイトの場合は、四六時中)までいっしょにいるので、同期メンバー、特に同じポジションのメンバーとはめちゃくちゃ仲良くなります。
仕事終わりにも飲みに行ったり、部屋に集まったり……そんなに話すことある? って感じですが、ワイワイ集まるのが好きなメンバーが多かったので、自然と一緒に過ごしていました。
仕事前後や休日はディズニー三昧の日々
福利厚生の一環として「WDWリゾート内テーマパーク無料入場」「WDWリゾート内・ホテル宿泊割引(期間限定)」などがあります。
そのため、ディズニー好きにはたまらない1年間を過ごせるはず……! 仕事前後の数時間でソアリンに乗ったり、ライオンキングのショーを見に行ったり、旅行では考えられない贅沢にパークを利用していました。
閑散期には、オフィシャルホテルに割引料金で泊まれます。通常料金から20%〜40%引きになるので、同期と一緒に沢山泊まりました! クラブルームに宿泊し、お酒を楽しんだり、ムービーナイトを開催したり。
アニマルキングダムロッジ、ポリネシアンヴィレッジ、グランドフロリディアン、ヨットクラブリゾート、アートオブアニメーション……などなど。 今思えばもっと泊まればよかったな〜と。
インターナショナルプログラム参加者向けに、ディズニー社が各種イベントを用意しています。イベントでは各国のキャストが集まるので、日本人以外の友達を作りたい場合は参加をおすすめします!
それとは別にCRプログラム生独自のイベントもあり。クリスマスパーティーには、クリスマスコスのキャラクターが集まってくれて、めちゃくちゃテンション上がりました!
連休や有休でアメリカ国内旅行へ
マイアミ(2回)、タンパ、キーウェスト、シカゴ、ニューヨーク(3回)、ラスベガス、アナハイム……などなど、連休があればアメリカ国内旅行を楽しんでいました。
業務はシフト制で週5勤務。2週間毎にスケジュールが張り出されるので、連休を見つけるとすぐに同じ休みの人を確認して、飛行機を予約していました。(笑)
その他にも、有給休暇や希望休も出すことができ、4連休程度までだったら取れていたので、数日滞在が必要な旅行もできますよ♪
1年間の勤務終了後にアメリカ旅行を楽しんでから帰国する人もたくさんいました。
私の場合は、ディズニークルーズ、ラスベガス、グランドサークルロードトリップ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ハワイを経由して日本に帰国しました。
ウォルト・ディズニー・ワールドで働くには、三越CRプログラムがおすすめ!
米国三越CRプログラムに参加したのは4年前ですが……昨日のことのように思い出せます。
大変だったけど、楽しくて濃密な1年間。旅行も沢山行けたし、ディズニーワールドを隅々まで満喫したし、本当に充実してました!(記事もめちゃくちゃ長くなった……ここまで読んでくれた方ありがとうございます。)
ディズニーキャストに憧れている人はもちろん、エンタメの世界に興味があったり、アメリカに留学してみたい!という人にもおすすめできるプログラムです。
めちゃくちゃ濃い1年間を過ごせるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。